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「若えし」は70代。村のあたり前を続けたい。~南牧村山村ぐらし支援協議会~

高齢化日本一。

少子化日本一。

消滅可能性日本一。

群馬県の中心、高崎市や前橋市から1時間強。上信越道下仁田ICより車で25分、群馬県南西部に位置するその村。近年メディアでも多く取り上げられ、観たり聞いたりする機会が増えている「南牧村」を訪ねた。出身者である私には、かねてより村の噂が聞こえてきていた。「山村ぐらし支援協議会」、「村長が変わった」、「若い移住者が増えている」 など。

最初に訪ねたのは、「山村ぐらし支援協議会」。村の中でも比較的栄えている磐戸地区で、創業140年の和菓子店「信濃屋嘉助」。老舗の4代目となる金田鎮之さんが協議会の会長を務めている。もともと村の将来を危惧した若者たちが立ち上げた「明日の南牧を創る会」から、空き家の理活用を目的として活動を開始し、2010年に山村ぐらし支援協議会を設立。村の有志や移住者を中心に村の空き家調査を行い、村のホームページ内に「空き家バンク」として公開を始めた(現古民家バンク)。今でこそ物件情報も整備され見やすいサイトになっているが、調査を始めた当初は様々な苦労もあったという。

 いくつもの山深い集落を訪ね、少しずつ歩いて一軒一軒空き家を探す。見つけたと思ったら所有者がわからない。近所の人に尋ねたり、役場に問い合わせたりしてやっと所有者がわかっても今度は連絡先がわからない。なんとか連絡先を調べたら今度は売却や貸し出す意思の確認を行い、立ち入りの許可を得る。そこから細部の調査を行い、詳細の分かる情報としてサイトに掲載。こんな気の遠くなるような作業を地道に続け、現在の古民家バンクを作り上げた。

 空き家の調査を進める中で村の人たちとの会話を通じて様々な気付きがあったことを教えて頂いた。例えばご主人を亡くされた高齢の奥さまが「よそから嫁いできた自分が、歴史ある家を守ることになってしまった」と、笑顔で元気に暮らしている姿を見て、改めて“家を守る”という強い想いに触れたり、そういった想いを持ちながらも村を離れて暮らしている人がいることに改めて気づいた。空き家を有効に使うことで歴史のある家を残し、守ることも出来るのではないかと考えた。

そんな思いから、2012年10月には古民家を住みやすく改装し格安で山村ぐらしを体験できる「体験民家」を用意し、移住者の増加に取り組んでいる。これらの活動は着実に実を結びはじめ、直近の3年間で14世帯20名以上が村に転入してきている。人口減少を止めるほどではないが、確実に山村ぐらしを希望する人に情報は届き始め、協議会の活動は更に進化した。県の職員も参加する村長との意見交換会が催されたりと、協議会の活動や村のこれからに内外で感心が高まってきている。メディアでの露出も高まり認知を実感する一方で、「過疎化」「高齢化」という普通に考えればネガティブな話題で露出が増えることに、「出過ぎではないか」と好意的でない声も聞こえてくることがあるそうだが、「良くも悪くも、ここまで注目されるのはチャンス。色々なことを受け入れて、何が出来るか考えて行きたい。」そう話す金田さんに、五年後の南牧村に望む姿を聞いてみた。「数年後も変わらずに入学式が出来ること。」「入学式や、卒業式。当たり前の行事が当たり前にできること。」人数や規模は小さくなっても、今までと変わらない南牧村の姿が夢だと話していただいた。

 もう一人、協議会のメンバーである中澤さんは、大学進学と共に村を出て、卒業のタイミングで村に戻ってきた。当時を振り返ると、移住者などほとんどいなかったという。村に変化が起き始めたのを感じたのはやはり協議会の活動開始と現村長の就任が大きかったという。協議会の活動で移住者が増え、メディアに取り上げられることで更に移住者が増えてきた。役場職員の時の経験を踏まえ、失敗や苦労を知って村長がいるから今の積極的な動きがある。協議会と村長の意見交換会なども、昔では無いことであり、村が変わりつつある気配を強く感じるそうだ。

 そしてこれから必要なものとして「人」の重要性を感じていると中澤さんは話してくれた。環境に馴染みやすい人が村には必要だと。それはどんな人か尋ねると、若者や高齢者、そして村人や移住者、どんな立場でも、「受け入れる気持」、「受け入れてもらう気持ち」を同じくらい大切に持っている人。そんな人たちが作り出す空気が村を変えて行く。その空気が、友達に会いに帰る、友達を連れて遊びに来るなど、「ちょっと村に帰ってくる楽しみ」を創ってゆくのではないか。実際に村では、移住者の方が村の行事に積極的に参加したり、高齢者も若者も関係なく交流会が開催されたりしながら、コミュニケーションの輪が広がりつつある。それが村の空気を少しずつ、そして確実に変えつつある。

 山村ぐらし支援協議会。彼らの活動は 「入学式や、卒業式。当たり前の行事が当たり前にできる。」「ちょっと村に帰るのが楽しみになる」そんな未来を創る大きな一歩として、村に関わる人々に大きな影響を与えている。

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住所/○○○○○
TEL/00-0000-0000
2015年07月13日 | ライター:murahito | 場所:| カテゴリー: 

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