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■高崎経済大学地域政策学部連携企画~群馬の特徴を人に伝えるprj. □風と手を取り合って歩む~「空っ風」は敵じゃない~□

群馬に初めて来た友人が、群馬の冬を初めて体験した時に言うことはただ一つ、「風が強い」。

夏に雷が全国で一番多い場所として知られる前橋市をはじめ、日本で最も暑い場所として有名な館林市、また冬には日照時間が長いなど群馬県では気候に関連したさまざまな特徴を持っている。
そのどれもが、生易しいものではなく、暮らしにくいとさえ思ってしまうものが多い。
冬に代表される「空っ風」がまさにそうである。強く吹き付ける風で、とても乾燥している。

私は生まれてからずっと群馬県で暮らしている。中学生・高校生のころにはこの空っ風に悩まされたものだ。なぜか?それは自転車をこいでもこいでも進まないのだ。追い風ならすいすい進むのに、向かい風になった途端まったく進まない。群馬県で過ごしたことがある方なら「わかる!わかる!」なんて方もいると思う。

「赤城おろし」という言葉を聞いたことがあるだろうか。この赤城おろしこそ空っ風なのだが、強く乾燥した風が吹くのはどうしてなのか。
季節風をご存じだろうか。夏と冬とで吹く向きが変わる、地球規模の風のことである。この風が大きく関係しているのだ。季節風は夏は南東から北西に吹く、冬はその逆。冬、この季節風が日本海の湿気をたくさん含んで日本に上陸する。上陸してすぐに新潟県と群馬県の境にある大きなたくさんの山々を駆け上がっていく。この駆け上がっていく時にたくさんの雪を降らせて湿気がなくなってしまう。湿気がなくなった風はそのまま山を越え、下っていくのである。それもすごい速さで。これが「空っ風」の正体。

地球規模で起こっている現象なので、群馬に住む人々にはどうしようもないこと。でも、先人たちはそんな環境の中で「空っ風」とのうまい付き合い方をしてきたのだ。それが今では群馬を代表する文化にまで発展しているものもある。

まずは食の面から。乾燥した風と晴れが多いことを利用して、ひものや小麦栽培が盛んに行われている。最近では、群馬県の小麦を使ったパスタが有名で、高崎市はパスタの街とも言われるようになった。

産業の面で、代表されるのが高崎だるま。だるまは乾燥しなければならない過程が多く、群馬県の気候がだるま作りの工程にぴったりであった。また、だるまが豊作祈願に使われていたこともあり、かつては多くの家庭に置かれていた。

生活面では、風から住宅を守るために「かしぐね」を活用した。樫の木は、一年を通して葉をつけており、風を防ぐにはもってこいなのである。この樫の木を住宅の北側と西側に植えることで風の被害を防いだ。古い住宅の周りには必ずと言っていいほど樫の木が植えられている。高崎市では樫の木が市のシンボルになっているほどだ。

今では、だるまもかしぐねも珍しいなんて家庭が増えてきているが、「空っ風」は今の群馬県の文化にもどことなく影響を与えているだろう。車文化も交通の面だけでなく気候に対応して発達したのかもしれない。

このように「空っ風」が多くの文化を創り出している。これらの文化は、人が風に歩み寄って生まれた。群馬に住む人々にとって、この風は悪いことばかりではなく、うまく手を取り合うことでその良さがわかってくるものだ。

風の良さ?…やっぱり吹かれることかな!私はふと、河原に散歩へ出かける。風に吹かれると嫌なことも悩み事も、ふっと軽くなる。まるで、風が私の背中を押してくれているかのように。何度も何度も背中を押してもらった気がする。形を変えて、私は風と共に歩んできた。

今、人それぞれで形を変えて「空っ風」と手を取り合い、歩んでいるのだ。あなたはどんな“風に“手を取り合っていますか?

■高崎経済大学地域政策学部伊藤ゼミ連携企画投稿~群馬の特徴を人に伝える。PRJ.■
ライター:高崎経済大学 地域政策学部 伊藤ゼミ 横田卓也

2015年02月03日 | ライター:tetsu | 場所:西毛 | カテゴリー:自然・景色 

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