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懐かし風情と佇まい~茅葺き屋根のお休み処『鹿火屋』~

伊香保温泉に向かう街道沿いを榛名山方面に車を走らせる。その途中、山中に一軒現れる、まるで昔にタイムスリップしたかのような茅葺き屋根と水車と火の見やぐらが見えてきた。

子供の頃に何度も家族に連れられてここに来たのを思い出す。
熱々の焼きとうもろこし、ガラス瓶の冷たいラムネを飲み、普段はなかなかできない竹馬で遊ぶのが楽しみでしょうがなかった。
子供ながらに日常とはかけ離れた、何とも不思議な体験をしている感覚にあった。
水車に夢中になり、茅葺きの小屋を探検もし、小脇の池で鯉をずっと眺めていたことも思い出した。

久しぶりにあの懐かしい想いを味わうことができた。風情ある佇まいのお店、『鹿火屋』

前々から気になっていた独特な名前。
鹿火屋とは、昔、猪や鹿の類が山畑を荒らすのを防ぐために、焚火をたき臭いものをくべる小屋のことで、万葉集にも読まれているとのこと

『むささびの 屋根に来てなく 鹿火屋かな』  洛山人

昭和41年に先代が東京より開墾でこの地に来、建てられたこちらの建物は、当時はお店も少ない街道沿いにひっそりとあった一軒ということから、その名を屋号とされた。

一歩店内に入ってみると、昼でも薄暗い店内は土間となっていて、座敷が続く。天井は高く、黒く煤で汚れた大きな木で組まれた作りの立派な建物であることが分かる。そこにうっすら煙の上がった暖かみのある囲炉裏。吊るされている鉄瓶は決して飾りではなく、来られたお客様に出されているお茶は昔から全て毎日この鉄瓶で沸かされたお湯を使っているとのこと。店内もやはり懐かしい光景。

さっそく鹿火屋と言えば名物である「いも串」。それとと味噌田楽、ラムネを頂くことにした。
このいも串に使われる芋は、地元群馬の榛名産。秋に収穫後「芋穴」と呼ばれる倉下に泥のついたまま保存される。冷凍庫を使わずに自然保存にすることで、芋本来の味を味わうことができる。その後人の手で丁寧に皮むきをされ、蒸し、成型され、素焼きにし、特性のあまじょっぱい味噌を付け、炭火で焼かれる。その上に最後に風味で山椒を少々かけるのも他にはない独特な食べ方。手間がかかるので、ここまで丁寧に作られた「いも串」を食べれるのは非常に珍しい。
熱々の里芋は、柔らかく、炭火の香ばしさと特製味噌が合わさり、非常に美味しかった。

そしてラムネを一口。今ではこのガラス瓶にビー玉の入ったラムネも珍しい。瓶も希少になっているので提供できるお店も少なくなってきているようだ。子供の頃はこのビー玉のせいでラムネを飲むのに苦戦していたことを思い出した。今でも子供や外国の方にも珍しがられ、お土産に持ち帰られる方もいるほど喜ばれているようだ。

また、「くず餅」も名物のひとつだ。自家製の手作りで、保存料などは一切使わず小麦粉、くず粉、片栗粉を元に作られた昔ながらのくず餅。ぷるぷるとした餅の上に甘い自家製の黒蜜ときなこがたっぷりかけられる。この食感を味わえるのもここならでは。保温が難しく、日持ちしないので、時間が経つと餅が固くなってしまう。お店で食べるのが一番美味しく頂ける唯一の方法だ。

旬なものを旬な時に食べる。
昔から建物も雰囲気も、そして想いも変わらない懐かしい風情のあるお休み処で、親子2代、いや3代でのんびりとしたひと時を楽しんでみてはいかがでしょうか。

■鹿火屋
住所/群馬県北群馬郡吉岡町上野田1329-127
TEL/0279-54-3920
営業時間/9:30~17:00(日祭日は17:30まで)
2015年01月28日 | ライター:t_nishimura | 場所:北毛 | カテゴリー:モノ・ワザ  

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