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幕末の長州 と 明治の群馬 がつながる場所 前橋の臨江閣(りんこうかく)を楽しもう

そろそろNHKから正式発表がありそうな2015年の大河ドラマの題材ですが、
一部報道では吉田松陰の妹に決まったという話です。
ぬか喜びはいけませんが、吉田松陰の妹は群馬に強い縁がある方だとご存知ですか?

初代 群馬県令(知事)の楫取素彦(かとりもとひこ)。
おそらく、ほとんどの方が、「誰?」とお思いの、忘れ去られてしまっているこの方、
元・長州藩士で吉田松陰の2人の妹の夫であるという不思議な経歴の持ち主。
松陰の親友であり、松陰投獄後は松下村塾の先生を引き継いでいたという人物なんです。

そんな初代 群馬県令 楫取素彦(かとりもとひこ)ゆかりの場所が、
前橋市にある臨江閣(りんこうかく)という建物なのですが、みなさん、臨江閣ってご存知ですか?
るなぱあくの入口の向かい側、さちの池の隣にある古い建物が臨江閣です。

私は楫取素彦(かとりもとひこ)が長州の隠れたエース的な存在だったらしいことや、
臨江閣が楫取素彦(かとりもとひこ)ゆかりの場所らしいことや、
群馬の迎賓館として建てられたらしいという、うっすらとした知識しか持っておらず、
徒歩10分の場所に住んでいるにも関わらず、建物の中に入った記憶がなかったので、
この機会に楫取素彦と臨江閣への理解を深めることにしました。

まずは、グリーンドーム側にまわり、外から臨江閣を楽しむことに。
2008年の全国都市緑化フェアの一環で、池を中心とした回遊式の日本庭園が整備されました。
季節感を考えずに来たものの、建造物とマッチする紅葉が美しくてびっくり。
結婚式の前撮りと思われる和装の撮影も行われていましたが、納得のロケーションです。

広い庭園を1時間ほど散策し、ひとしきり景色を楽しんだので、建物の中へ。
さあ、いよいよ楫取素彦や臨江閣の謎を解き明かそうと、館内を廻り、展示品や資料を読みふけります。

 
 
・楫取素彦について分かったこと
坂本龍馬から薩長同盟構想を聞き、長州の藩論を一転させた功績を持つこと。
維新後、政府要職に就きたがらず、地元で静かに暮らすことを望んでいたが政府に引っ張り出されたこと。
初代群馬県令として赴任し、複数藩の集合体のため、文化や背景の違う難しいこの地域をまとめたこと。
産業振興に力を注いだこと。(当時の輸出の7割を占めていた生糸の生産で群馬は全国1位)
教育にもかなり力を注いだこと。(東の群馬・西の岡山と全国で名高かったのだそう)
妻であり吉田松陰の妹である寿子(ひさこ)が、群馬県令在職中に亡くなり、
後妻として吉田松陰の末妹であり久坂玄瑞の未亡人である美和子と再婚したこと。
元老院議官に任ぜられ、群馬を去る際、数千人の群馬県民が沿道で別れを惜しむほど人気だったこと。

 
・臨江閣について分かったこと
明治天皇が全国を視察されており、明治11年に群馬に行幸された際は群馬に迎賓館が無かったため、
生糸改所(現在の前橋げんき21にあった、生糸の品質を検査する施設)に御宿泊されたこと。
楫取素彦が群馬を去ることが決まった際、下村善太郎(後の初代前橋市長)ら有志に呼びかけ、
迎賓館建築を提言し、下村善太郎、生糸会社、銀行などの寄付で明治17年に臨江閣本館を建築したこと。
感激した楫取素彦は臨江閣茶室の建築のための私財を寄付をしたこと。
明治26年に明治天皇が、明治35年・41年に当時皇太子だった大正天皇が、臨江閣に御宿泊されたこと。
その後、180畳の大広間(和室の巨大ホールのような圧巻の空間)を持つ別館も明治43年に建設され、
近県にまれな大公会堂として使用されてきたこと。

 
 
 
幕末の長州をしっかりと支えていた実力派の人物が明治政府から初代 県令として送り込まれていたことで、
明治・大正期の、群馬が元気だった時代へとつながっていくのですね。
時代背景を勉強したことで、迎賓館の必要性も理解できました。
また、明治政府はお金がないことは知っていましたが、市民が私財を投じて街を作っていく時代だったことを
改めて、理解することができました。
そんな歴史を忍ぶことができる臨江閣が健在であることをとても嬉しく思います。

今回、理解を深めようと思うきっかけとなった、2015年の大河ドラマの件ですが、
本日の時点ではNHKからの正式発表はなく、一部報道のみですが、もし、現実になるのであれば、
群馬と大河ドラマを結びつける施設として、臨江閣を盛り上げていけたらいいなと思いました。

こんな素晴らしい施設が身近にあるのに、見学する人もまばらで、本当にもったいないと思います。
今は紅葉も見ごろでしたし、冬の雪景色もきっと美しいでしょう。
無料で入れますので、皆さんも是非、実際に足を運んで、景色や歴史を楽しんでくださいね!

■臨江閣 本館・茶室・別館
住所/前橋市大手町3-15
TEL/027-231-5792
開館時間 9:00-16:00(入館は15:30まで)
閉館日  年末年始 及び 毎週月曜日(月曜日が祝祭日の場合は開館し、直近の平日休館)
入場料金 無料
駐車場  無料
2013年11月29日 | ライター:小野里 彰展 | 場所:前橋 | カテゴリー: 歴史・文化 

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