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富岡製糸場と共に140年 信州屋という物語 と 絶品『和風絹しゅうまい』

どこかの『観光地』を想像する時、そのご当地ならではの『食』も一緒に想起できると、
その観光地に行きたい気持ちが高まるのだという話を聞いた。
例えばそれは、『日光』に行ったら『ゆば』を食べよう!というような話だ。
観光地と食がセットになることで印象が強まり、期待値も満足度も上がるのだろう。

そんなことを考えながら降り立ったのは、
富岡製糸場が世界遺産候補となり、盛り上がりを見せている群馬県富岡市。
目的は、富岡製糸場という注目のコンテンツ周辺に、魅力的な食があるのかを知ること。

結論から申し上げれば、製糸場の目と鼻の先に、
富岡の魅力を確実に押し上げているであろう、おいしい しゅうまい屋さんを見つけたのだ。
これは、知らねばもったいない。皆さんにお知らせせねば。

ということで、和風絹しゅうまいの信州屋さんを取材させていただくことに。

 

「こんにちはー。」
とびきりの笑顔で明るく迎えて下さったのは、店を運営されている若女将の太田裕子さん。

早速、ふかしたてのしゅうまいをいただく。けっこう大粒だ。
県産の豚肉・国産の玉ねぎ・高知県産の根生姜で、保存料も使わずに作る丁寧な味わいは、
とろけるような、なめらかな食感、柔らかで自然な甘さ。あつあつでうまい!
和風絹しゅうまいというのは、絹が入っている訳ではなく、この食感を指しているのだそう。
一緒に伺わせていただいた家族も大喜び。娘も嬉しそうに大きく口をあけてほうばっている。

このクオリティを体感された方には分かっていただけると思うが、
富岡製糸場の見学帰りにふらりと立ち寄って、
おやつ代わりに店内で一皿3コ250円のしゅうまいをいただくのは、安く感じるし、
何より富岡に訪れた満足度が上がるように思う。

失礼ながら、群馬にこんなにちゃんとした、
しゅうまい専門店があるなんて、今まで知りませんでした。

「元々、信州屋は旅館だったんです。明治初期の富岡製糸場の誕生からほどなくして、
富岡製糸場にご用の方のための宿として、初代が長野県の小諸市から出てきて開業したんですよ。
宿代が払えなかった版画師の方が、製糸場の創業直後の様子を描いた版木を
宿代代わりに置いて行かれたものが残っていたりしますよ。」

面白いですね!製糸場と共に歩んだ宿の歴史が垣間見えます。
当時、富岡製糸場といえば、国をあげた最先端の大事業。
たくさんのお客様でにぎわっていたのでしょうね。
しかし、なぜ旅館からしゅうまい屋さんに転換されたんですか?

「元々は父が旅館の夕食の一品として提供していたしゅうまいが好評だったことから、
平成元年にしゅうまい屋として店舗を出しました。
私が嫁いできた平成三年の頃は、まだ旅館がメインでしたね。
父も主人も、信州屋の他にも会社を経営していたこともあり、
旅館もしゅうまいも、母と私を中心に切り盛りしていました。」

旅館と店舗の業務の他に、子育てもされているんですもんね!
それは目の回るような大変な日々ですね!凄いです!

「高速道路が発達して、富岡に一泊する必然性が薄くなってきたり、
旅館が老朽化したりという時代の流れと同時に、
富岡製糸場がにわかに注目され始めたことで観光客の方が増え、
しゅうまいを知っていただいた方が増えるという変化も起こりました。
テレビの取材で取り上げられるような機会も出てきて、
だんだんと旅館から、しゅうまいへとメインの事業が変わって行き、
今では旅館はお休みし、しゅうまい一本でやっているんですよ。」

大変興味深い流れで、事業転換されたのですね!
女将から若女将へのしゅうまい事業の継承もなされ、現在は裕子さんが中心となって、
店を切り盛りされているのだそうだ。

女将の太田とよ子さんにも出てきていただいて、ご挨拶させていただく。
女将も若女将も子供が大好きで、うちの娘を全力で可愛がって下さった。
お二人をはじめとして、店の皆さんの温かさが凄い。優しさが溢れている。

最後に、裕子さんの仕事の原動力は何ですか?

「おいしかったからと、お客様がまた来てくださること。
子供さんが口に入れて心から喜ぶ姿を見られることは、
この仕事をやっていて本当に良かったと思える瞬間ですね。
毎日、目の前のお客様に喜んでいただきながら、
次の世代へと店を継承するために頑張ることが私の原動力ですね。」

最先端の国営事業から世界遺産候補の観光地へと変貌を遂げた富岡製糸場とともに、
事業の形を変えながらも、信州屋の看板は続いていく。この街に無くてはならない存在として。

皆さんも富岡製糸場の見学の際は、是非、立ち寄ってみてください。
きっと富岡のことを好きになると思いますよ。

■信州屋 和風絹しゅうまい店
住所/富岡市富岡51番地
TEL/0274-63-2000
定休日/毎週水曜日
8/14~16 12/30~1/4
http://kinusyumai.com
2013年08月16日 | ライター:小野里 彰展 | 場所:西毛 | カテゴリー:歴史・文化  

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