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地元の人が誇りを持てる地酒をつくる。蔵元親子二代。北橘の聖酒造から

皆さんは、北橘村(現:渋川市北橘町)に、銘酒を生み出している酒蔵があることをご存知だろうか。

今日やって来たのは、板東橋からほど近くにある、聖酒造(ひじりしゅぞう)さんの赤城蔵。
地元で評判の、うまい酒を造っている蔵だ。
残念ながら私が下戸なので、最近、日本酒を覚え、酒蔵の見学に意欲を見せる妻と共に取材に伺う。

駐車場に着いて、いきなりびっくり。次々と入ってくる県外ナンバーの車や観光バス。
蔵元見学のお客さんたちが降りてくる。降りてくる。
ここまで観光名所になっているとは思っていなかったので驚いていると、
七代目蔵元で杜氏(とうじ)の今井健介さんが笑顔で迎えてくれた。

「お客様のご案内をしてくるから、売店で飲みながらちょっと待っててね。」

杜氏が自ら案内してくれるって、何だか贅沢な感じだなあ。などと思いながら、妻と待つ。
ひっきりなしに、お客さんがいらっしゃり、皆、楽しそうに試飲しているなか、
妻もお客さんたちに交じり、早速、おいしいおいしいと試飲を開始。

「お待たせ。今日は酒林(さかばやし)を作っているから、ちょっと見に行こう。」

酒林?一体、何だろう?と思いながら、ついていく。
あっ、これ、見たことある!酒蔵の入口にある、不思議な丸いモフモフした物体だ!

造り酒屋には、酒造りの安全を祈念して、軒先にこの玉を吊るす風習があるのだそう。
一年間、吊るしておくと、だんだん茶色に色が変わるそうなのだが、
毎年、寒造りの仕込みが始まる11月くらいに青々とした酒林に入れ替えるとのこと。

「そんなことから、青い酒林を掲げると、『出来立ての新酒あり』の看板代わりになったんだ。」

この玉には、そんな意味があったんですね。
以前から、この玉に強い興味を持っていたものの、玉の名前も分からず、
どこかで売ってないかと探していた妻が、ものすごく食いついて、熱心に見学している。
思わぬ形で、妻の疑問も晴れたようだ。

「蔵の方にも行ってみようか。」

ということで、新酒の仕込み真っ最中の蔵に向かう。
おお、上品ないい香り!
下戸の私だが、甘酒が大好きなこともあり、日本酒の爽やかな香りはとても心地よい。

「これ、搾りたてのお酒、山吹色でしょ。麹の色なんだ。ちょっと飲んでみて。」

妻が喜んでいただく。おいしい。これ好き。フルーティーと言っている。

蔵をご案内いただきながら、日本酒造りの流れを丁寧に教えていただく。
蔵の酒造りを指揮する杜氏から直接、日本酒作りを教えていただけるなんて、
めったにない機会。とっても面白いです。

「地元の人が自信を持って、『これ、うちの地酒なんですよ』と言える、
『品質』と『物語』のある酒が作りたかったんだ。」

1841年の創業から、代々酒造りを続け、七代目が社長の代の時。
徳川家康が酒井重忠に前橋城を与えるに際し『汝に関東の華をとらす』と言った故事から、
関東の華という銘柄を立ち上げたんだそう。

「『物語』は出来た。『品質』でも誇りを持てるものを作りたい。」

と、試行錯誤を続け、全国新酒鑑評会で関東の華は通算10回の金賞を獲得するに至り、
品質面でも誇りを持てる銘柄に成長していったのだそう。本当に凄いです。

息子さんで八代目蔵元、現社長の今井健夫さんにも来ていただき、お話を伺う。

「最初に飲んだ日本酒の印象が悪くて、日本酒を一切飲まないような若い方が、
飲んでみようかなと思っていただけるくらい、継続して良い酒を作り続けて、知っていただく努力をして、
ブランド力を高めて行きたいと思っています。」

関東の華の六角形のおしゃれなパッケージも、八代目が手がけられたんだそう。
良いものを作ると同時に、知っていただく努力もされていらっしゃるんですね。

親子で日本酒と向き合う、お二人の話を聞いて、とてもワクワクした気分になる。
さあ、お土産を買って帰ろう。今日は面白いお話をたくさん聞かせていただき、ありがとうございました。

皆さん、遠くからお客さんが来た時、自信を持って、紹介できる地酒はありますか?
蔵元見学という休日の過ごし方。きっと、新たな発見があると思いますよ。

■聖酒造株式会社 赤城蔵(酒蔵見学無料 説明あり・直営売店あり)
住所/群馬県渋川市北橘町下箱田380
TEL/0279-52-3911
営業時間/9:00-16:00
休日/年末年始・お盆休み
facebook/ http://www.facebook.com/hijiri.sake
HP/ http://www.hijiri-sake.co.jp
2012年12月14日 | ライター:小野里 彰展 | 場所:北毛 | カテゴリー:遊ぶ  

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