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空き店舗再生×ソムリエの作るラーメン×ワインバー=市街地活性の担い手へ ROOSTER

桐生の中心街、本町通りに『ヌードル&ワインバー』なるお店がオープンした。
今年の春先頃からお目見えしたユニークな店構えは、個人的にもなんだかとても気になっていた。

しかしまぁ、世間は狭い。
聞くところによると私の高校の先輩の兄が店主ということで早速アポをとって訪問することに。

その店名は「ROOSTER」(ルースター)。
平日の昼はラーメン店、週末の夜はワインバー、2つの顔を持つ珍しいお店だ。

両方をひとりで切り盛りするのはソムリエの資格を持つ店主の新井雄一さん。
10代の頃からアップルパイを生地から作ったり、一昼夜ビーフシチュー作りに没頭したり、料理がとにかく大好きだった。

以前は都内のスペインレストランに勤務していたのだが、その後友人のつてで地元桐生の古民家再生や
中心街の定住促進を図る『かんのんまちづくりの会』に加わり、ここのバックアップもあって今年3月17日に
今のお店をオープンした。

「若いときは進学や就職もそうだけど、とにかく地元を出たかった」
「でもやっぱりこの年になって戻ってきちゃった、やっぱり桐生が好きなんですよね」

冒頭に“ユニークな店構え”と紹介したのは、ここの以前のお店が豆腐店だったことで、
当時の看板もそのまま残しているからである。(正直言ってかなりインパクト高い)

「しばらくは前の看板をあえて残しています、どのように空き店舗が再生されたかを見てもらいたいので」

店内もタイル貼りの壁など、豆腐店の名残を見ることができる。

客席については奥にウェイティングスペースがあり、そこにテーブル席を置くことも可能だが、
新井さんが全ての客に目配り心配りができるようカウンターのみの8席で営業している。

昼営業のメインであるラーメンの種類は、醤油と塩ラーメン、同じくつけめんの4種類。
スープには化学調味料は使わず、店名由来(ROOSTERの意味は雄鶏)のしっかりとした鶏ダシ。

「ウチのスープは足し算ではなく、余分な素材を削ぎ落として極限まで旨味を残した引き算のスープです」

醤油ラーメンのタレは隣町大間々の「日本一醤油」岡直三郎商店の生揚げ(きあげ)醤油を使用。
麺はこの辺りでは珍しい自家製麺の細麺。新井さん曰く「唯一の従業員」である製麺機に日々向かい合って
スープと同じぐらいにこだわった麺づくりをしている。

食感の良い麺に、火入れをしていない醤油の風味豊かなスープ。
ありきたりな語彙で恥ずかしいが本当に「うまい!」としか言いようがない。

「小さい子供が美味しい美味しいと言って、いつのまにか一杯平らげてしまうことがよくあります」
「本当は700円取りたいけど、ラーメンって本当はもっと気軽に食べてもらいたいものだから、
原価的にかなり厳しいけど何とか650円に抑えています」

良心的なのは昼のラーメンだけでなく、夜の部のワインも同じ。
フランス・イタリア・スペイン産をメインに置き、一番高いものでもフルボトルで4500円ぐらい。
価格がボトルに書かれているので何よりわかりやすい。

夜はスペインのバル(BAR)のように、タパス(小皿料理)をつまみながら一緒にワインを楽しむ。
試食させていただいたタパスが「チャーシューのリエット」。
チャーシューの端切れを鶏スープで丁寧にのばして仕上げた、この店らしい一皿である。
仕事中とは言え、思わず一杯欲しくなってしまう…、

「ノンアルコールのシャルドネスパークリングがありますよ」

え?何それ?
どんな大層なものが出てくると思ったら、普通に量販店でも売っている缶のアレ(笑)。

「意外と美味しいでしょう、これが結構飲んだ気になるんですよー」

価格の多寡にかかわらず、良いもの、美味しいものが出てくるところがまた1つのこだわりである。

「自分がやりたいことをやりたいように始めた店なんです」

壁にはマティスの絵、ラーメンのメニューにはレーベンブロイの小瓶など、
改めて見渡すと各所に新井さんのセンスを垣間見ることができる。

「ワインバーって、いわゆるワイン通がいて敷居が高いイメージがあるけど、ウチは全然違います」
「ビールや焼酎に慣れて、ワインが食わず嫌いになってしまった人ほどウチに来て『あ、ワインって
こんなに美味しいんだ!』って思えるようになってほしいですね」

「でもウチだけで完結しては厳しい。願うことならウチがきっかけになって他にも(同じようなお店が)
続いてほしいです。始めにROOSTERで軽く飲んで、次はあの店、締めはこの店ってなればもっと楽しいでしょ」

確かにその通り、空き物件はまだあるので古民家や空き店舗再生に意欲や関心のある人はワイン片手に
新井さんに相談してみるのもいいかもしれない。

取材中に「ごちそうさまー」と近所の人がラーメンどんぶりを返しに来た。
商店街育ちの私にとって、そんな光景がなんだか微笑ましく見えた。

街と人との新たな接点がこの店から生まれ始めている。

■ROOSTER(ルースター)
昼の部/11:00~14:30※ (水曜休み)
夜の部/17:00~23:00 (木・金・土のみ営業)
※スープがなくなり次第終了
住所/桐生市本町6丁目398
URL/ http://rooster.doorblog.jp/
2012年10月02日 | ライター:塚本 輝雄 | 場所:東毛 | カテゴリー:  

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