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「マッチ箱を手渡され、何通りの使用方法があるか?考えてみろって」
生産量全国一位の創作こけしのイノベーションとは?|卯三郎こけし

数か月前に高崎駅で出会った「卯三郎こけし」
今まで自分が見てきたこけしの印象をくつがえす何とも可愛らしい一品。
そんな「卯三郎こけし」のルーツを知りたくなり今回伺った。

みなさんはこの群馬県が、全国一の生産量を誇る創作こけしの産地ということをご存知でしょうか?

そもそもこけしは主に東北で作られる伝統こけしと群馬県で作られている創作こけしがある。
群馬の創作こけしはもともと戦後、玩具製造から始まり民芸品として作られ、形やデザインの自由さが特徴だ。

「卯三郎こけし」はもともと観光地の土産などの塑造作りを行っていた初代岡本卯三郎さんが
そのお土産の台の上に小さなこけしを乗せ、セットにして販売したのが始まり。
初代はエンジニアだったことから従来のロクロ挽きの工程を機械に転換していった。
そうすることにより木型のバリエーションが増え絵付の工夫に時間をかけることができるようになった。
固定概念にとらわれることなくイノベーションを起こした。

さらにイノベーションは続く

こけしは木肌が白く木目が目立たない「ミズキ」を使うが、卯三郎こけしは「クリ」の木を使う。
ミズキが仕入れにくかった時期に山に大量に捨ててあったクリの木に目をつけ使用した。
木型になるまでに割れやすいクリの木は無駄が多くなるが木目が非常にキレイにでる。
今ではこれが卯三郎こけしの特徴の一つになっている。
また、ニクロム線を熱した筆を考案し、従来墨で描いていた外郭を焼線で描き新たな作風を展開していった。
幼少の頃から絵付の手伝いをし、初代のスピリットを受け継いだ二代目卯三郎 岡本有司さんは
「亡くなったおやじから学んだことは、こけしの形はほとんど同じ。
けれど一つの形にの中に何通りの書き方ができるか?という創造性。
例えばそこにあるものデザインは別ですよね。」
目をやると一つはサンタクロース、一つは着物を着た女の子。
木型は同じだが、表情が異なると、もとの形までも違うように見えてくる。

「小っちゃいときからおやじにマッチ箱を手渡され、何通りの使用方法があるか?考えてみろって」
話を聞いていると伝統を取り入れながら枠にはまらず新しいものを作るスピリットを強く感じた。
そんな二代目はクリなどの木目や色合いを活かした作品を創作している。

イノベーションというものは当たり前の日常から先入観にとらわれず
創造することから生まれるものなのだと思った。

そのイノベーションは継承されていく。

「昔はこけしを作っている家がたくさんあったけれど、どこも後継者が居なくて・・・
うちは息子二人が作ってくれてるから」
今後を担う作り手はさらにイノベーションを起こしていく。

このイノベーションの結晶である技術とデザインは現在海外へも輸出されている。
そんな優れた匠の技と創造をいろんな人に伝えたいと思った。

■卯三郎こけし
住所/北群馬郡榛東村長岡1591
TEL/0279-54-6766
営業時間/8時~16時50分 
(年間休業日 毎週水曜日(工場のみ休業。創作こけし工芸館・売店は営業)
12月29日~1月4日は完全休業)
URL/ http://www.usaburo.com/
2012年10月30日 | ライター:gumi | 場所:北毛 | カテゴリー:モノ・ワザ 商店 歴史・文化 

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